おうちでフードフェス 思い出の広島めしを再び。

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【99.9%広島県産食材で作った! 絶品広島まぜめし3品】

「広島って、食材に恵まれてるよね~」
県外に行くと、結構な割合で言われることなのですが、広島県人でいるとピンと来ませんよね。
「そうかなぁ?」と思った方、近隣の山口県や岡山県と比べていませんか? 広島県の良いところを知るには、遠く離れた自然環境や歴史的背景の全く違う地域の文化と比べてみることです。食材には自然環境が、食文化には歴史的背景が大きく関わっています。共通項の多い近隣県と比較しただけでは、広島県の良さは際立って見えないものなのですよ。

斯く言うワタクシは、山口県生まれ。長崎県や島根県など複数の県を転々としましたが、小学校2年生の2学期から広島県人となり、現在に至ります。広島市安佐南区にある「とれたて元気市」が御用達です。県内各地の「道の駅」に頻繁に出没します。

ひろしまフードフェスティバルも毎年楽しませてもらっています。「地産地消広場」をぐるぐる、ウロウロ、何周も歩くのが恒例です。中でも思い出に残っているのは、2017年の「最強のまぜめし」選手権です。

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「ごはんに混ぜることで、広島が誇る地産地消の食材がより輝きを放つ。」
イイ言葉だと思いませんか!? 丼ならぬ、まぜめし。主役はごはんなのか、おかずなのか。

この3つの「まぜめし」、ほぼぜ~んぶ広島県産食材で作ることができます。調味料まで! 「広島めし」と名乗るには、レシピよりも材料調達が要です。さぁ、産地をチェックして。

広島県産の代表格、牡蠣が主役の「牡蠣ほうれん」

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【牡蠣ほうれん Ver. 2022】

主役中の主役は、もちろん「牡蠣」。全国生産量の半分以上は、広島県産です。海に牡蠣いかだがずらりと並んだ景色に「広島らしさ」を感じませんか?

この「いかだ垂下式」という養殖法になったのは戦後のこと。これによって沖合での養殖が可能になり、広島牡蠣の生産量は飛躍的に伸びたと言われています。旨い、旨いと食するだけでなく、時には広島牡蠣の育つ海を眺めてみるのも心地よい時間です。ぜひ広島牡蠣の住む海に出かけてみてください。

広島牡蠣をより美味しく味わうための調理ワザを紹介します。水気を拭いた牡蠣に塩をふり、粉をつけて焼くだけです。

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【牡蠣は片面ずつ、丁寧に焼く】

粉をつけて表面を焼き固めることで、牡蠣のうま味を外に逃がさないようにします。この衣のおかげで、調味料が少なくても味が絡みやすくなりますよ。

もう1品、牡蠣の美味しい食べ方をご紹介。こちらは、牡蠣に粉をつけてさっと揚げ、南蛮漬けにするというもの。南蛮酢に江田島のオリーブオイルを合わせてドレッシングにすると、牡蠣と広島県産サラダ野菜がモリモリ食べられるから不思議です。

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不動の人気! やっぱり広島なら「お好み焼きまぜめし」

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【お好み焼きまぜめし Ver. 2022】

ここで注目して欲しいのは、広島でいう所の「イカ天」(※)です。実はイカ天の生産量も全国一と言われている広島県。かつて北前船にのって、尾道にやってきた北海道のスルメをハイカラなフライにしたのです。
(※)県外で「イカ天」と言うと、普通のイカの天ぷらを指します。

イカ天がお好み焼きに合うのは分かっているのですが、家のホットプレートでお好み焼きというのは、お店の鉄板の味に比べると、だいぶ格落ちしてしまう気がします。

そこで家で作るのはもっぱら、焼きそばです。イカ天が主役ならば、海老やイカ、時には牡蠣も加えた海鮮焼きそばに。広島人なら広島レモンをさり気なく添えるのもコツ。イカ天は食べる直前にパリパリと砕いて混ぜそばにするのが広島スタイルと言えるかな?

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【焼きそばにもお好みソースが広島流】

隠れた名物でおもてなし「中華風鶏とがんすのまぜめし」

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【中華風鶏とがんすのまぜめし Ver. 2022】

「がんす」の名前の由来は、草津の漁師言葉で「~でがんす」という話し言葉の語尾です。草津がんすは、かつてあった「網節商店」のご夫婦が作ったものが元祖だそう。それは戦後間もなくから、当時流行りのコロッケを真似て、作られました。元祖の味を知る人によると、とにかく薄くて、独特の食感があり、やみつきになるくらい美味しかったようです。出来立てを買って車に乗ると、車中にニンニクの匂いが充満するほど、強烈だったとも聞きました。

元祖がんすは、午前1時ごろに水揚げされる旬の魚で作られ、朝の5時には市場に並んでいたそうです。鮮度の良い魚で作るがんす、かまぼこなどの練り製品、これも広島の誇れる産品と言えるでしょう。

流通が未発達だった時代、県北に届く魚と言えば、このがんすでした。だから三次や庄原には、がんすを懐かしいという人もいます。県北エリアは、何と言っても山が魅力。がんすには、七味マヨネーズをちょんとつけて食べるのが定番ですが、パンやごはんとも好相性なので、広島の山に出かける日は、ぜひ「がんすサンド」「がんすむすび」を!

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【色んなお店のがんすを組み合わせて使うのがツウ】
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【実は…… たっぷり県産野菜を使います】
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【海苔も漬物も広島の名物ですよ】

「食べ手」としてできること

「生産者」に対して「消費者」と言いますが、「作り手」に対しては? 私は「食べ手」と呼びたいです。なぜなら、「食材」がスポットライトを浴びて輝くべき舞台は、売り場ではなく「食卓」だからです。

私は食材を買うとき、どこで作られたか、ということよりも「誰が」作ったか、ということを気にします。御用達の「とれたて元気市」に行くと、「あ、今日は〇〇さんのトマトが出ているな」「●●さんがキャベツを出しているな」と、いつも作り手の名前を見ます。実際にはお会いしたことがない方もいるのですが、名前を見て買って、食べてみて美味しかったら、次からは指名買いをします。

産直市では、作り手とお話できることがあります。まさにとれたての野菜を並べているところを通りかかると
「これ、さっきとってきたのよ! 美味しいから食べてみて」とか
「初めて作ってみた野菜なんじゃけど、すごく甘いんよ。生でもえぇしね、煮てもえぇしね……」
などと、声を掛けられ、たいてい買ってしまいます(笑)。

そうして、名前を見たり、会話をしたりして買った食材は、地元産であるという物理的距離よりも、「あの人が作ったものだな」という作り手との心理的距離の短さを感じさせてくれます。

また会ったときに「美味しかったよ」と言ったら、喜んでくれるかな、
いや、「こんな料理にして食べてみたら、すごく美味しかったよ」と言った方が具体的だし、もっとうれしいんじゃないかな、
……そんなことを想像すると、何か料理をせずにはいられなくなるのです。

「食べ手」として、ただ美味しく食べること、それが誰かの喜びになるのだとしたら、これほど簡単で持続可能なことはありません。

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平山友美 プロフィール
広島市在住。「食」を核とした企画開発を得意とするフードプロデューサー。慶應義塾大学卒業後、エコール辻・東京のフランス料理、イタリア料理専攻科卒業。同校で日本料理課程修了。製菓、製パン、諸外国の料理、空間コーディネートなど師範免状を取得。販路コーディネータ1級、VMDインストラクターなどフードビジネスの現場に必要と思われる資格は積極的に取得。これら習得した知識を基に、商品開発、新たなブランドラインの開発、メニューの考案などを行っている。
料理は、まず見た目で「美味しそう!」と思わせたい。盛付けを考えるのが好き。中国新聞では10年超の長期連載を担当。RCC「イマナマ!」に出演中。情報誌「Wink」ほか、専門誌の連載担当。
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